WDAI-TOPIX4. インプラントデザインが初期固定に及ぼす効果

最終更新: 2019年6月24日

2019年6月24日 WDAI Academy news (ニュースレターVol.4) 掲載

トピックス:インプラントデザインが初期固定に及ぼす効果

著者:山口葉子先生 (昭和大学歯学部 インプラント歯科学講座)


平成31年5月18日(土)、19日(日)の二日間にわたり、東京国際フォーラムにおいてStraumann FORUM 2019が開催されました。フォーラムには約2000名の来場者があり、「新しい可能性への招待―患者のために―」をメインテーマに4つの会場でディスカッションが行われました。

私は、「症例に応じた治療計画とインプラントデザイン」のセッションで、発表をしました。今回はその内容の一部をご紹介させていただきます。



2010年3月に放送されたNHKのためしてガッテンという番組で、「ネジの極意」が特集され、ネジには40万以上の種類があり、そのうちチタン製のネジは、顎骨の中に埋め込む歯科インプラントとして使われていることが紹介されました。このスクリュー型インプラントの骨への締め込み具合を初期固定といいます。初期固定は、インプラント埋入後の予後を予測する上で重要な指標であり、十分な初期固定が得られない場合には骨形成に時間がかかり、治癒期間が延長し、インプラント成功率の低下につながることが報告されています。

そこで、インプラントデザインと初期固定の関係に着目し、模擬骨にインプラントを埋入して、得られたトルク値からデザインの効果を評価する検証を行いました。この検証結果から、インプラントデザインが初期固定に多大な影響を与えていることが分かってきました。さらに詳細な検証を行うため、ストレート型デザインのスタンダード(S;ストローマン社)とテーパー型デザインのテーパードエフェクト(TE;ストローマン社)の2種類のインプラントを実験に用いました(図1)。


SとTEをタイプⅣの模擬骨に埋入して、トルク-時間曲線の最大値から初期固定を評価する実験を行いました(図2)。Sでは埋入にかかった時間は22秒で、その間のトルクの増大は緩やかで、最終的にその値は非常に小さい8N・cmにとどまりました。一方、赤線のTEでは埋入に33秒とやや時間を要しました。そしてそのトルク値は、埋入開始から中盤にかけてはSと同様の緩やかな増大にとどまりましたが、後半の10秒間になるとトルク値が急激に増大します。これは、TEの上半分のテ-パ-デザインによるもので、テーパーはトルク値を増大させるということを示しています。


以上の結果から、初期固定力の小さいSは、下顎臼歯部などの硬い骨質に、また、ストローマンインプラントの中でも最大のトルク値を示すTEは、上顎大臼歯部などの骨質が脆弱な部位に適用できることが分かります(図3)。

初期固定にはインプラントデザインが重要な一因子となるという今回の検証結果が、より最適なインプラント選択の一要因として考慮され、今後のインプラント治療の一助になれば嬉しく思います。



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2019年6月30日発行 WDAI Academy News Vol.4 最新トピックス:山口葉子先生 (昭和大学)



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